2015年09月


「みなさん、ごらんなさい。あのへいには五つの道がひらいています。しかし、むこうに見える物見やぐらへ行きつくことができるのは、たった一つの道しかないのです。もしまちがってほかの道へふみこんだら、それこそ、大迷宮のなかへまよいこんでしまうのです。さア、いきましょう」
 鬼丸太郎鑽石能量水 消委會はつかつかと広場を横ぎると、右から二つめの道へはいっていった。その道というのは、はば三メートルほどあって、両がわには五メートルほどの高さのコンクリートべいが、ずらりとめぐらしてある。
 だから、前と後と上以外には、どこも見えないようになっているのだ。
 この道をいくこと三百メートル。
 そこにはまた直径五十メートルの円形広場があり、広場をとりまくコンクリートべいには、いま来た道もふくめて、五つの道がひらいていた。
「みなさん、おわかりですか。さいわいにして迷路の入口で、正しい道をえらんだとしても、ここでまちがったらなんにもなりません。さア、わたしについておいでなさい」
 鬼丸太郎はへいぞいに、広場を右へまわったが、やがて二つめの道へはいっていった。
 滋もそのあとからついていったが、その道もさっき来た道とぜんぜん同じで、目印一つない。
 しかもいくこと三百メートル、そこにはまたもや、さっきの広場と寸分ちがわぬ広場があって、同じような五つの道がついているではないか。
 鬼丸太郎はこんどはその広場を左へまわると、すぐとなりの道へはいっていった。
 金田一耕助はしだいにこうふんしてきて、
「鬼丸さん、鬼丸さん、もしまちがって、ほかの道へはいっていったらどうなりますか」
「そこにもやっぱり、三百メートルいくと広場があり、広場には五つの道があります。こうして広場と道は島ぜんたいにひろがっているのですが、広場にも道にもなんの目印もから、いちど通ったところへかえってきても気がつきません。だからいったん迷路へふみこんだらとても出ることはできないのです」
 それをきくと滋はゾッとするような気味鑽石能量水 消委會わるさを感じないではいられなかった。
 しかも、いけどもいけども同じような道と広場ばかり、滋はなんだか頭がへんになりそうだった。
 しかし、さしもに長いこの迷路も、やっとおわりに近づいた。
 第八番めの広場をすぎると、鬼丸太郎が一同をふりかえり、
「さア、みなさん、われわれはまもなく、迷路を出ます。迷路のそとにはお城がありますが、そのお城には怪獣男爵がきているにちがいありませんから、どなたも用心してください」
 それを聞くと一同は、またあたらしい危険にさっと緊張した。



 山賊達は突然宙を舞った布団に驚いている。はは、じゃあやっぱりアイツの仕業か。
 魔王め。あの手この手で人間を苦しめやがって。そんなに人間が憎いか。ええ? 僕に伝説の剣を手に入れる機会があれば、美人僧侶と腹筋の割れた戦士を率いて即座にお前に攻め込んでやるのに。

「……サブイ」

 心地の良いぬくもりを突然奪われ、そして山の冷たい外気に晒樂觀面對困難された為。ややゴキゲンナナメだ。
 自慢じゃないが僕は寝相のいい方じゃない。うっかり近づいて噛みつかれないように注意しろ。
……というか、布団どこいった。布団だけにどこかへ吹っ飛んだのはわかったが、さっさと取り戻してもう一度ぬくもりに包まれたいんだ。
 体を横にしたまま頭だけを動かし、布団の行方を煩わしそうに探し始める。

「あ……」

 あった、マイ掛布団。僕の体温が十康泰旅遊分伝わった布団が、木の枝にひっかかったのか縦にだらんと佇んでいる。――――取り返そうと布団に手を伸ばすと、ふいにガサッっと布団が動いた。
 まだやってたのか。もういいから、さっさと返――――

「おはよう。朝からゴキゲンね……」

 布団の中から現れた魔王が、青筋を立てて寝起きの僕を目が血走る程温かく見守ってくれている。
 何という事だろう。この布団は魔王のマントだったのか。それはすまなかった。今この場でそのマント、魔王様にお返しし――――

「くぉら! 寝ぼけてんのかコラーーーッ!」

「あだだだだ! 違う違う! 違いますって!」

 魔王の粛清を浴びた僕は、痛みで寝ぼけた頭をハッキリと覚醒して頂き、誤解を解くべく魔王様に進言できる申し開きの機会をいただいた。
――――そしてオーマに「まだ寝ぼけてんのか」と一喝され、またもや粛清の危機に瀕するハメになった。
 妙だな。こいつじゃないのか? てっきりこいつが浮かがしたと思ったのに。
 オーマは拳にハァと吐息を浴びせ、殺気の慈善活動孕んだその手を大きく頭上に掲げた。だから待てよもう、違うっつーに!

「歯ぁくいしばれ!」

「のぉ~~~!」

――――バサッ。と言う音と共に視界が闇に包まれる。
 いや、厳密に言うと所々光が透け、闇と言うよりただ暗いだけだ。
 そして前には拳を掲げたオーマが「ぶわっぷ! 何よこれ~!」と慌てふためいた表情で、その手をぶんぶんと振り回している。なんだ? 一体何が起きた? 

「姉さん! だいじょうぶですかい!?」

「何今の! 布団が襲ってきたわよ!?」

01 (21)

 セラブ提督が答える。
 窓からははるか向こう、見えなくなるほど遠くまで宇宙船が見える。これだけの大艦隊が飛ぶのはまさに壮観だった。
 艦隊はどんどん広がっていく、差し渡し10光年の広さに展開して進むのだ。
「巡航速度です」
 艦長が報告する。これで、安定状態になったのでメレッサがブリッ港股夜期 ジにいる必要はなくなった。
「セラブ提督、お願いします」
 メレッサもずいぶんと馴れてきた。航海が始まったので誰が指揮権を持っているか常にはっきりさせておかなければならない、指揮権をセラブ提督に譲ればもう安心できる。

 自分の部屋に戻ってきた。まだ、どこに何があるかまったく分かっていない。スケートリンクがあるのか知りたかった。
「ミルシー、スケートリンクはどこ?」
「こちらです」
 ミルシーが案内してくれる。
 侍女も戦争についてくるのだ。私は親の仕事が戦争だから、親について戦争に行くのはしかたないが、侍女は大変だと思った。
 艦長はスケートリンクを作っていてくれていた。ルシールのよりはかなり小ぶりリンクだった。
 ここで毎日練習しよう。ルシールの所でまSmarTone 上網たく滑れなかったことが悔しくてたまらなかった。


 航海中、メレッサはコリンスに戦争のやり方を教えてもらっていた。戦争に行くのに戦争の事を何にも知らないのは不安だった。

 航海を始めて8日ほどが過ぎ、艦隊はいよいよ敵地に侵入した。ここからはいつ敵に攻撃されるかわからない。
 艦隊の中央は父の主力部隊がいて、メレッサの艦隊はそこから西に5光年ほどの所に展開して進んでいた。
 最初の攻撃目標、スラドニスはあと1日の距離に迫っていて、敵が迎え撃つつもりならもうそろそろ攻撃がある位置だ。しかも、戦艦の総数ではこちらが圧倒的に優勢だからミラルス王は奇襲攻撃をかけてくると思われた。
 メレッサもできるだけブリッジにいた。敵襲があれば彼女がいても何の役にもたたないことは分かっていたが、それでも不安な気持ちで過ごすよりブリッジにいた方が安心できた。
 メレッサは立体スクリーンを見ていた。たくさんの宇宙船が雲のように写っている。立体スクリーンには味方の船は写っているが、敵の船はその位置が分かった船だけがうつる。敵が潜んでいても敵の存在がわかっていなければ写らないから、敵がすぐ近くに待ち伏せしていても、敵が動き出すまでわからない。

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