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 セラブ提督が答える。
 窓からははるか向こう、見えなくなるほど遠くまで宇宙船が見える。これだけの大艦隊が飛ぶのはまさに壮観だった。
 艦隊はどんどん広がっていく、差し渡し10光年の広さに展開して進むのだ。
「巡航速度です」
 艦長が報告する。これで、安定状態になったのでメレッサがブリッ港股夜期 ジにいる必要はなくなった。
「セラブ提督、お願いします」
 メレッサもずいぶんと馴れてきた。航海が始まったので誰が指揮権を持っているか常にはっきりさせておかなければならない、指揮権をセラブ提督に譲ればもう安心できる。

 自分の部屋に戻ってきた。まだ、どこに何があるかまったく分かっていない。スケートリンクがあるのか知りたかった。
「ミルシー、スケートリンクはどこ?」
「こちらです」
 ミルシーが案内してくれる。
 侍女も戦争についてくるのだ。私は親の仕事が戦争だから、親について戦争に行くのはしかたないが、侍女は大変だと思った。
 艦長はスケートリンクを作っていてくれていた。ルシールのよりはかなり小ぶりリンクだった。
 ここで毎日練習しよう。ルシールの所でまSmarTone 上網たく滑れなかったことが悔しくてたまらなかった。


 航海中、メレッサはコリンスに戦争のやり方を教えてもらっていた。戦争に行くのに戦争の事を何にも知らないのは不安だった。

 航海を始めて8日ほどが過ぎ、艦隊はいよいよ敵地に侵入した。ここからはいつ敵に攻撃されるかわからない。
 艦隊の中央は父の主力部隊がいて、メレッサの艦隊はそこから西に5光年ほどの所に展開して進んでいた。
 最初の攻撃目標、スラドニスはあと1日の距離に迫っていて、敵が迎え撃つつもりならもうそろそろ攻撃がある位置だ。しかも、戦艦の総数ではこちらが圧倒的に優勢だからミラルス王は奇襲攻撃をかけてくると思われた。
 メレッサもできるだけブリッジにいた。敵襲があれば彼女がいても何の役にもたたないことは分かっていたが、それでも不安な気持ちで過ごすよりブリッジにいた方が安心できた。
 メレッサは立体スクリーンを見ていた。たくさんの宇宙船が雲のように写っている。立体スクリーンには味方の船は写っているが、敵の船はその位置が分かった船だけがうつる。敵が潜んでいても敵の存在がわかっていなければ写らないから、敵がすぐ近くに待ち伏せしていても、敵が動き出すまでわからない。